新しい系外惑星(75 Cet c)の発見

岡山188cm望遠鏡と高分散分光器HIDESを用いた約20年間に及ぶ観測により、くじら座75番星(75 Cet)という巨星を周回する2つ目の惑星(75 Cet c)を発見しました。75 Cet cの公転周期は約2050日、軌道長半径は約3.9天文単位、質量は約0.9木星質量です。2012年にこの巨星を周回する1つ目の惑星(75 Cet b;公転周期約696日、質量約2.5木星質量)を発見した後も根気強く観測を続け、今回の発見に至りました。

この他にも、岡山188cm望遠鏡、すばる望遠鏡、興隆2.16m望遠鏡(中国)、RTT1.5m望遠鏡(トルコ)を用いてこれまでに発見・観測してきた32個の惑星系の軌道要素を位置天文衛星Gaiaのデータなども組み合わせてアップデートしました。これらのデータをもとに、巨星を周回する比較的低質量(5木星質量以下)の惑星系の総質量が中心星の金属量と正の相関を示すことを明らかにしました。これは、惑星形成メカニズムとしてコア集積を支持する結果となります。

本研究成果は、日本天文学会欧文研究報告「Publications of the Astronomical Society of Japan」に2023年9月13日付で掲載されました(Teng, Sato, et al., "Revisiting planetary systems in the Okayama Planet Search Program: A new long-period planet, RV astrometry joint analysis, and a multiplicity-metallicity trend around evolved stars")。筆頭著者はD3のTengさんです。

また、新たに発見した惑星の情報は以下のサイトにも掲載されています。