02. 大規模衝突の年代測定
石鉄隕石メソシデライトは,金属と岩石がほぼ半分ずつ混ざった,非常に特異な隕石です(右上図).その岩石部分は,小惑星ベスタに由来すると考えられているHED隕石とよく似た特徴を持っており,ベスタ起源の可能性が高いと考えられています.小惑星内部の金属コアと地殻物質が同時に存在していることから,太陽系初期に起こった巨大衝突の痕跡を保存している隕石として注目されています.
当研究室では,メソシデライトの高精度年代測定や化学・同位体分析を通じて,この隕石がどのように形成されたのかを研究しています.これまでに,世界で初めてメソシデライト形成の高精度年代を決定し,さらにその形成メカニズムについて新たなモデルを提案してきました(右下図イメージ).この研究は,巨大衝突によって起こった現象の年代を,高精度年代測定によって直接決定できることを示した点でも重要です.
一方で,メソシデライトの形成過程には未解明な部分も多く,現在も活発な研究が続けられています.当研究室では,こうした隕石に記録された情報を読み解くことで,太陽系形成期に起こった激しい衝突進化の歴史を明らかにすることを目指しています.



