01. 原始惑星の形成と進化
小惑星ベスタ(右上図)は,太陽系が誕生して間もない頃に内部が高温で溶け,金属コア・マントル・地殻を形成した原始惑星の生き残りです.現在まで残っている天体の中でも,小惑星形成初期の状態を比較的よく保存していることから,ベスタは初期太陽系の歴史を今に伝える重要な天体として注目されています.
当研究室では,ベスタに由来すると考えられている隕石(HED隕石)(右下図)を用いて,この天体がどのように形成され,進化していったのかを研究しています.年代測定や化学分析を通じて,ベスタ内部で起こった加熱や冷却,さらに衝突の履歴を読み解き,46億年前の太陽系初期に何が起こっていたのかを明らかにすることを目指しています.
一方で,小惑星の進化は太陽系誕生直後のごく短い期間に急速に進行し,さらにその後の衝突によって年代情報が複雑に書き換えられているため,その時間関係を解き明かすことは容易ではありません.当研究室では,太陽系初期の出来事をより正確に復元するため,年代測定法の改良に取り組むとともに,隕石に残された微かな時間の痕跡を読み解く高精度年代測定に挑戦しています.



