2023年5月11日4:16に発生した千葉県南部の地震について (5/11 9:25更新)

関東地方にはフィリピン海プレート,太平洋プレートの2枚の海洋プレートが沈み込んでいます.今回の地震は深さ40kmであり,沈み込むフィリピン海プレートの内部で発生した地震です(図).関東地方のテクトニクスはこちら

フィリピン海プレート内部では1921年茨城県南部の地震(M7.0),1922年浦賀水道地震(M6.8),1987年千葉県東方沖地震(M6.7)などの大きな地震が過去に発生しています.

「30年確率70%」と言われている首都直下地震は特定の地震を指すわけではありません.南関東で発生するM7クラスの地震の総称です.首都直下地震は内陸地殻,沈み込むフィリピン海プレートの上部境界面またはその内部のいずれかで発生すると考えられています.万が一,M7クラスの地震が発生すると甚大な被害が生じます.

首都直下地震の発生が危惧されている首都圏は1923年関東地震以降,震度6弱を超える揺れに見舞われたことはほとんどなく,大きな揺れを経験したことがありません.日頃から地震に対して備えていても想定を超える被害が生じる可能性もあります.身の回りの再点検をお願いします.