関東地方のプレート構造

地震波速度構造と地震活動・メカニズム解から,関東・中部地方下のフィリピン海プレート・太平洋プレートの形状を推定しました.その結果を用いて,関東下では2つのプレートが接触している領域が広範囲に広がること,その接触域は関東下の地震活動に大きな影響を与えていることなどを議論しています.まだまだ未解明な点も多いですが, 関東の地震テクトニクスの大枠は間違っていないと思います.これまでで一番長い論文です.1人の査読者(匿名ではない)からは12ページにわたる詳細かつ有益なコメントを頂き,論文の構成を大幅に変更しました.

J. Nakajima, F. Hirose, and A. Hasegawa,
Seismotectonics beneath the Tokyo metropolitan area, Japan: Effect of slab-slab contact and overlap on seismicity
J. Geophys. Res., 114, B08309, doi:10.1029/2008JB00610, 2009.   LINK


西南日本のプレート構造

東海から九州までのフィリピン海プレートの形状を推定した論文で,スラブの形状と火山活動との関係を議論しています.この論文では,中部地方のスラブの深さは200kmにも及ぶと考えましたが,その後の論文(Nakajima et al., JGR,2009)で,その解釈は間違っていたことがわかりました.新しい解釈では中部日本のフィリピン海プレートの最深の深さは約140kmです.一方,浅部のプレート形状は,Hirose et al. (2008, JGR)で改訂されています.最新のプレート形状は弘瀬さん(気象研)のホームページをご覧下さい.

J. Nakajima, and A. Hasegawa
Subduction of the Philippine Sea slab beneath southwestern Japan: Slab geometry and its relationship to arc magmatism
J. Geophys. Res., 112, B08306, doi:10.1029/2006JB004770, 2007.   LINK